ここで、姜尚中さんの講演会がありました。演題は「こころ」を読む。
姜尚中さんも「心」という本を出していますが、それではなく、夏目漱石の「こころ」です。
大昔、背伸びして読みましたが、よくわからなかった かな。
以下、特に ふむふむ納得した所です。
・日本の今は、しっとりとした落ち着いた生活を目指す時代、近くの人と手と手を取り合って…。幸せの価値観をかえていこう!そんな時代は漱石がいい。
・漱石は 日本のもののあわれのような文化、漢詩、英文学、この3ッつの世界を持っている。プラス、百年先を見据えた文明批評をしている。
・漱石の「こころ」は、死と密着しているが、漱石自身は、「生は死よりも尊い」や、「生まれた以上生きる」などと、主張。自死や殉職を生の連続としてとらえてはいるが、自死を美化しているわけではなく、文学上の手法のようなもの、ととらえたほうがいい。
・魂とは、自分が生きたという物語。
・輪廻転生とかスピリチュアルということを、科学的に論じていくのは野暮。それを支えに生きているのなら、それに対して批判をするのは野暮。「情報」は、情 なさけの知らせ。あると思う人にはあり、ないと思う人はない。
2時間以上のお話。漱石って、すごいんだ と改めて思いました。確か、60歳までは生きなかったですよね。
夏目漱石も、もう一度読んでみっか、と思ったのですが、やっぱ、姜尚中さんは、引きこもり落ち込み精神から浮揚させてくれるようなお話。
素晴らしい方 と思いました。